「好き」だけじゃぁ?!

全国の紙屋が集まる総会で新理事長の挨拶の中にこんな問い掛けがあった。「みなさんは紙が好きですか?プロ野球の選手はみんな野球が大好きだと思います。私達はどうでしょう?みなさん紙について語れますか?」紙が好きかと聞かれると胸をはって「ハイ!」と答えることができる。でも「紙について語ってください、さぁどうぞ!」と言われると困ってしまう。
そんなことを高校時代の先輩に話した。すると「俺は家業だから団扇(うちわ)とかカレンダーを売ってるけど、好きか?と聞かれるとそれが好きで入ってきた社員に負けるかも知れない」と、ちょっと意外な返事だった。「でも」と話は続く。団扇やカレンダーについて色々調べた。語れるか?と聞かれると「語れる」。実際、小学校や異業種の会合で何度か講演したことがある。そんな時難しいのは、団扇に興味がない人にどうやって聞いてもらうか?家へ帰って「今日はこんなお話し聞いて来たヨ」と言ってもらうにはどうしたら良いかと言うこと。飽きさせないようにするには...と色々教えていただいた。
この景察手帳を読んでいただいている人のほとんどは少しでも紙に興味がある人だと思う。興味の無い人に聞いてもらう。紙の楽しさを知らない人に知ってもらう。
「好き」だけじゃぁダメなんだ。