ブランドの傘

お気に入りの傘が有る。どこのメーカーだろう?と思って見てみたが「日本製」のシールが貼ってあるだけでどこのブランドというわけでもなさそうだ。18歳の時に9800円で買った。「よく失くしてしまうのに何故そんな高い傘を買ったのかと」母にあきれられた。もちろん気に入って買ったのだが、どこにその金額に見合う価値を見いだしたのか思い出せない。でも30年経った今も私の手元に有るし今もお気に入りだ。私の大好きだった洋服屋さんで買った傘だがお店はもう無い。
あまり雨をはじかなくなったのでスキーの防水スプレーをふっている。一度骨が折れたので自分で修理した。一部錆びてきたので錆止めをした。先の方が減ってきたので本来は別の用途で使う黒いキャップをホームセンターで見つけてきてかぶせている。メーカーもわからない傘だが永く手元にあること自体がひとつのブランドだと私は思う。少し汚れてきて手入れしても綺麗にならいが私にとっては大切な「30年ブランド」の傘だ。