ボロ 1991年発売 東海パルプ
京都のお客様で印刷会社さんの社屋の向かい側に、毎年今頃になるとたくさんの木にピンク色の花が咲いていた。その印刷会社さんの社長に「あれは桃の花だヨ」と教えていただいて「なんと幸せな色だことか」と思った覚えがある。桃源郷と言うには狭すぎるがそれでもその一画は一面の桃畑だった。そんな視界一面の桃の花と言う感じの紙が有る。ボロ の ピーチだ。
ボロは白と色のモヤモヤした柄にライン状の凹凸がある。奇抜ではないが印象的、おとなしい雰囲気なのに荒々しさをあわせもつ。相反する物が混在しているようなボロは本当に魅力的だ。
紙名手配のお客様はカリグラフィー用にナチュラルを使っていらっしゃる方が多いが、私個人はやはりピーチが良い。ピンクと白のモヤモヤとライン柄の相乗効果(?)で、桃の花散る嵐のようにも見える。ボロのピーチを見ながら桃畑を思い出しているのだが、毎年楽しみにしていた桃畑は数年前に宅地造成され今は住宅が建っている。住んでいる人には悪いがとても残念だ。