無地が語る

パチカ

パチカ 2004年 特種製紙
今日は全国的に冷え込んだようで、朝のから各地で大雪というようなニュースが流れていた。
雪というと昨日のハイメノウも雪山でのホワイトアウトを思わせる紙だったが、ちょうど良いのでしばらく雪をテーマにして紙を紹介していこうと思う。
「雪」で私が一番に思い浮かべる紙はパチカだ。あまり出回ってない見本帳に収録されているのでご存知ない方も多いかもしれない。紙は白のみでOKフロートのように熱をかけるとそこだけ透明になる。熱でパーチメント化することから「パチ化」と名付けられたそうだ。連量は130kg、200kg、350kgと比較的厚い商品だ。
私の印象に残っているのは、特種製紙のpamへ伺ったときに見た冊子で表紙に使われてた。長野オリンピックに使った冊子だそうだ。ほとんど印刷はなく、鹿の歩いた足跡がホットスタンプで「パチ化」してあって、新雪の上を細い足で圧さえた感じがとても印象的だった。
最小限の印刷や加工で紙の特性や特徴を引き出すデザインは本当に素晴らしい。印刷しきれないことは紙自身に任せてやると、紙は雄弁に語ってくれるものだ。