偽物でも捨てるのはもったいない

必ずしも環境に良いとは言えない再生紙の存在価値は「捨てるのはもったいない」からだと言ってきた。見方を変えれば「ゴミの減量」のためだ。
さて、リサイクルインパクト(古紙偽装事件)から約1ヶ月、大手企業では刷り直し、あるいは製品になった商品の返品という話もチラホラ聞くようになった。再生紙だと思って使っていたのにほとんど古紙が入っていなかった、つまりは要望と違う商品だから交換して欲しい。あるいは冊子の内容が環境に関することなのにコレでは使えない。ニセの再生紙なんか使っていると信用に関わる。もっともなことだ思うし嘘をつかれていたという感情の部分もよくわかる、もちろん偽装していたのは製紙メーカーだしそれを擁護するつもりはない。しかし元々何のために再生紙を選んだか?と言うことをよく考えて欲しい。返品された商品はどこへ行くのかと言うことも。
「この冊子(あるいは包装紙・手提袋・パッケージ)は印刷し直したので間違いなく再生紙です。」一見スマートだが、本来使えるものを大量のゴミにしてしまったことをユーザーが見逃すだろうか?
ユーザーの理解を得ながら販売を続けると早い時点で表明したコクヨのように、「当社の包装紙は製紙メーカーの偽装のため再生紙ではありませんが、資源とエネルギーの無駄を省くためそのまま使い続けます」という貼紙1枚で大きな信用を得られるはずだ。PRの一面を持つ再生紙の使用、被害者なのに返ってユーザーの反感を買うという理不尽な結果を招かないためにも、一時の感情に流されず冷静で慎重な対応が必要なときかもしれない。