羊の皮を脱ぎ捨てて

羊皮紙 白桜

羊皮紙 1970年発売 特種製紙
今年の桜の開花は早いようで、京都でも来週あたりには咲き始めるとか。今年も、もうそんな季節なんだと思いながら、桜の紙を紹介していこうと思う。
初日の今日は羊皮紙 白桜だ。羊皮紙は大阪万博の年、1970年発売。発売当初の白と古染から増色はしていたが、2004年までは一応「羊の皮」のイメージの範囲内だった。それがフロッケンの廃品にともなって一部の色を羊皮紙に統合し、その際に「」や「白桜」など淡い色と「」や「」などの濃い色が追加された。全部で12色、羊の皮を脱ぎ捨てて大きく成長した商品になった。個人的に元々好きだった羊皮紙だが、リニューアルしてからさらに好きになった商品だ。特に白桜は羊皮紙特有のもやもやした感じが、むせぶような満開の桜を連想させる羊皮紙の中でも特にお気に入りの色だ。スッキリした淡いピンクなので、ブライダルだけでなく案内状や封筒、パッケージなどにもよく使われている。
名前に縛られて自分で限界を作ってしまっていた羊皮紙だが、一旦自己否定することで大きく成長したようだ。