恩返し

フロッケン 黄土

フロッケン 1960−2004年 特種製紙(現 特種東海製紙
雨模様の空を見ていたら思い出した紙がある。フロッケンだ。この名前の商品がなくなって6年、でもまだ覚えていらっしゃる方もまだ多いだろう?!
廃品と書かなかったのは、この紙はまだ生きているからだ。羊皮紙の浅黄、茶、黄土は実はフロッケンだ。風合が良く似ているので2004年の羊皮紙リニューアルの際に吸収されてしまった。羊皮紙は1970年発売なのでフロッケンより10年後輩、大先輩を吸収するのは気が引けたかもしれないがネームバリューが有るのは羊皮紙なので自然な流れだ。私個人は、フロッケンの中で印象的だった黄土が残ってくれたのはとても嬉しい。
フロッケンは地合い崩しのこの雰囲気が「繊維がかたまる」と言う感じなので「flock(かたまる、集まる)」からのネイミングだ。その技術自体は後輩の羊皮紙に受け継がれているのだが、羊皮紙は先輩に教えてもらったflockするという気持ちも受け継いで廃品になる先輩を取り込んで救ったのかもしれない。