受け継がれる思い

玉しきみずたま 藤紫

玉しきみずたま 1969年発売 特種製紙(現 特種東海製紙
「玉しき みずたま」は以前にも取り上げたが、おもしろい資料を見つけたので再び登場だ。
「玉しき みずたま」旧姓「玉敷」。玉しきシリーズ「玉しきあられ」「玉しききっか」「玉しきさしこ」と統合されたときに「玉しきみずたま」と名称を改めた。
この紙ができたときに、水玉模様なので"水玉"と言う名前にしようと思ったらすでに商標登録されていたそうだ、かと言って和風の紙に英語のなまえは付けられない。そこで漢和大辞典からの出典、千載和歌集の中にある「雲の上の有明の月も影さえてふるや霰(あられ)の玉敷の庭」から玉敷と命名された。
「水玉」と言う名前にしたかったという「玉敷」、40年の時を経て「玉しきみずたま」と言うかたちでその思いをとげた。
こんな薄い紙に、しっかり思いが受け継がれている。歴史とか伝統とか堅っ苦しい言葉は好きではないが、こうやって受け継がれていく思いや気持ちが積み重なっていくのはすばらしいことだと思う。