ロングセラーにはわけがある

OKミューズコットン 桃

OKミューズコットン 1959年発売 安倍川工業(現 王子特殊紙)
文集や同人誌を作る人ならほとんどの人が知っているOKミューズコットンはテクスチャペーパーを代表する紙だ。色数もタントに次いで多い131色を誇る。見たことがないと言う人のために、紙の風合は片面がライン柄、裏面は色画用紙のように平らな紙だ。学校の文集や運動会のパンフレット等に良く使われている。
OKミューズコットンが学校で人気があるのには理由がある。リソグラフのような簡易印刷機でプリントする際インキの吸収が早いので裏移りしにくいのだ。
ミューズコットンの歴史は古く今年で50周年を迎えた。発売当初は何色だったか手元に資料がないのでわからないのだが、早い時点で65色体制になったと聞いている。その頃タントはまだ無く、現在色数117色で3位のNTラシャはこの当時20色だったのでミューズコットンはダントツだったわけだ。
さてこのミューズコットンの名前の由来は?
「ミューズ」は安倍川商品の多くについているものでギリシャ神話の芸術の神様だ。では「コットン」は...。これがよく分からない。ライン柄の紙にOOコットンと言う商品は多いがライン柄とコットンに因果関係は無い。どちらかというと後発商品はミューズコットンに名前を似せているように思える。ならば原料か?いやいや、こちらの資料にはミューズコットンにコットン配合とは書いていない。分からないので問い合わせてみると、「厚みのある柔らかな風合を表すのと共にコットンという響きの良さ」と言う回答だった。品質の良さや使い易さだけではなく、覚えやすさやゴロの良さと言うことにも気を使っていたようだ。
長く売れ続けるにはやはり理由があるのだ。