あさぎ

普通に生活していて紙以外に「浅黄」と言うことばに触れる機会は少ないように思う。他では着物の色だろうか?生れたときからウチは紙屋だったので紀州色上質の浅黄は子供の頃から身近にあった。そんなわけで何の抵抗もなく「浅黄」はこんな色だと思っているけれど、あらためて考えてみると「浅い黄色」が水色のような色というのは妙だ。調べてみると「浅黄色」は「うすきいろ」とも読むのだそうで本当に淡い黄色だそうだ。これとは別に「浅葱色」と書く「あさぎいろ」があってこちらが藍の淡い色、紙業界での「浅黄色」はほぼこれにあたる。厳密に言うと間違った使い方なのかもしれないけれど色名と色の認識はこんな風に少しずつ変わっていくのかも知れない。それに身近にある色が変わってしまうと色の認識も違ってくるのだろう。
でもただ認識がかわるだけなら良いけれど「空色って昔は淡い青のことだったらしいよ、今はグレーだよネ」なんてことになってしまうと悲しい。そうならないように小さなことでもできることはやっておこうと思う。未来の子供達のために。

プロフィール
商品名:紀州色上質
発売年:1954年発売
メーカー:北越紀州製紙
おもて面:平らで手触りはツルツルしている
裏面:表裏差はほとんど無い。
用途:名刺、カード、パッケージ、案内状、オールマイティーになんでもつかえる
説明:名前の通り色のついた上質紙