本の装丁

どこかで出逢った本に使われている紙を「素敵だな」と思ってもほとんどの場合その紙が何かわからないと思うし、そんなことはすぐに忘れてしまう。気になって調べるのは紙屋かデザイン・印刷に携わる人のそれも一部でしかない。しかし、その本のどこかに紙の名前が書いてあったらどうだろう?!もちろんそれを見ても「あぁ!」と思う人はゴク少数かもしれないが、本の装丁に興味を持つ人か増えるのではないだろうか。
私のまわりには「やっぱり本は紙でないと」と言ってくれる人は多い。でもそう言う人達はどの程度本を買うのだろう?それにそんな人達はこれからもたくさん居続けるのだろうか?電子書籍が増えつつある今、紙の本が生き残るためにできることはなんだろう?例えば「あとがき」後に「装丁デザイナーから一言」みたいなページを作ってみてはどうだろう。本の帯やカバー、表紙、見返し、トビラ、本文、それぞれに使った紙の名前とどんな思いでデザインしたか、何故その紙を使ったのか、デザイナーが語るページがあれば本の内容とリンクして、本自体に奥行きができ、印象にも残る。
今までと同じでは減っていくばかりだ。紙の本は生き残りを賭けて総力戦で挑む時だと私は思う。