T目とY目

一般の方が紙の流れ目のことを知らなくても、紙を使っていて大きな問題はない。それは「オフサイド」を知らなくてもサッカーの試合を見て楽しめるのと同じようなものだ。...ちょっと違うかなぁ?
でも作ろうと思っていた物が思い通りに作れなかったり、何かトラブルが起こったときの原因は流れ目であることが多い。紙を扱う上で流れ目は知っておくに越したことはない基礎知識だ。
紙は金網でできた大きなベルトコンベアーのようなものの上に原料を流して作っていく。そのためこのベルトコンベアーの進んでいる方向に紙の繊維は並びやすい。この繊維が並んでいる方向を流れ目と言っている。紙の繊維を魚に例えると、川で泳いでいる魚のほとんどが川上を向いていると思ってもらえるとわかりやすいと思う。
長方形の紙で、紙の繊維が長い辺に平行な時その紙はT目(「タテメ」と読む)、逆に短い辺に平行なときその紙をY目(「ヨコメ」と読む)と言う。お客様の中には「紙を横長に置いてタテメ」と言う方もいらっしゃるのだがそれはY目(ヨコメ)です。
何故「縦目」「横目」と書かずに「T」とか「Y」とか書くのかというと...すみません私も知りません。たぶん「縦」も「横」も画数が多くて(縦は13画 横は15画)書きにくいのと、ひらがなやカタカナよりローマ字の方がちょっとカッコイイからではないかと私は思っています。