辞書

辞書の紙は、薄いけれども透けにくい特殊な紙が使われている。手元にあった1981年版の広辞苑の紙厚を計ってみると0.06mm程度で上質45kgよりも更に薄い。この薄さで確かに上質45kgよりは透けにくい。でもホントに透けてないかと言うと「?」だ。
紙のご相談で「冊子の本文にするのですが透けない程度の厚さは?」とよく聞かれる。その際に「文庫本程度の」とか「辞書のように」とおっしゃる方も少なくない。でも、文庫本や辞書をじっくりご覧になったことがあるだろうか?よく見てみると意外に透けていることを感じていらっしゃる方は案外少ない。透けてないように思うのは、おもて面の文字列と裏面の文字列がピッタリ同じ位置にあって、おもて面の文字列が多少透けているのを隠しているからだ。それに、本を読むとき、辞書を引くときは「透けているかどうか」が目的ではなく「読むこと」「調べること」に集中しているのでこのあたりに神経が行ってないのも理由の一つだ。
そう言うことも考慮した上で、透けない厚さには上質も書籍用紙も70kg程度をオススメしている。それでも心配な方は90kgを使って頂ければと思う。

一行目の「の。自筆。」の下、三行目の「の著書。」の下は裏の文字が透けているのに、
隣の行は下まで文字があるので透けてる感が無いのがわかるだろうか?!
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プロフィール
商品名:白老上質(しらおい)
発売年:
メーカー:日本製紙
おもて面:白くて手触りはツルっとしている。
裏面:表裏差はほとんど無い。
用途:名刺、カード、便箋、ノート、冊子本文
説明:「白老」北海道の地名、白老工場で抄造している上質なのでそのままの名称になっている。低価格で何にでも使えるオールマイティな紙。
白について:白色度85%、蛍光染料が入っていないので屋内屋外を問わず白さの見え方があまり変わらない。