A級の約束

昨日の彼とは中学から6年間一緒にサッカーをした仲だ。マンガでさえ読まなかった私に「読む」楽しさを教えてくれたのは彼だ。高校の時、もう読まないからと数冊の本とたくさんのマンガを譲り受けた。中には当時でさえプレミアつきの本もいくつか含まれていたのでちょっと恐縮した。そんな中の5冊を取り出して彼は「これはあげられないから永久に貸しといてやる」と言った。「ん?これはプレミア付じゃないゾ」なんだかよく分からないけど特に理由もきかなかった。
昨年サッカーのOB会の後一緒に帰る時にちょっとカマをかけていきなり「あの借りてる本さぁ」と切り出してみた、この話を持ち出すのはあれ依頼だ。でも「あぁ、デビルマン?」と即答で返ってきた。「まだ僕が持ってて良いのか?」と聞くと「そう、永久にな」と言う返事だった。やっぱり理由を聞きそびれた。ささやかな約束だけれど彼も30年覚えているというのは嬉しかった。
さてこの本、私か彼が死ぬ時には返そうか?それとも永久に借りておくべきか?