十五の春−その彼方−

十五の春−その彼方− 草野弘明著
得意先の印刷会社、海文舎印刷の火の浦社長から手渡された1冊の本、「十五の春−その彼方−」自費出版の自伝のようだ。私の書くこの景察手帳もそうだが、素人の文章というのは書き慣れないためかどうも読みにくい。この「十五の春」もその類(たぐい)だと思って気合いを入れて読み始めたが意外に読みやすいのに不思議な感じがした。半分程度読んだところで「この人は何物ですか?」と火の浦社長に聞きに伺ったところ、いくつかの養護学校の校長を経た後、現在は聖母女学院の校長をされているそうだ。なるほどただの素人とは違う。
歴史小説や伝記を読むとき、その人が何をした人か知っていて読むことが多い。物語にスタートとゴールがあるとするなら定規で線を引いたように順調にゴールに向かう人と、物語半ばで「こんなことをしていて間に合うのか?」と心配する人も居る。この「十五の春」はその後者、貧困の中に生まれ、十五の春(集団就職)で名古屋の町工場へ。ホントにこの人が校長になるところまでいくのだろうか?と思えるような大変な人生だ。
比較的大きな文字で200ページなのでサラッと読める。できれば私よりも年下の人に(もちろん草野弘明氏と同世代の先輩方にも)読んで欲しい1冊だ。

送料込み 1冊1000円
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