おくゆかしい

ニューこもん

ニューこもん 2009年発売 日清紡
1982年発売の「こもん」が昨年リニューアルして「ニューこもん」になった。「こもん」は和服の小紋のような細かな模様をフェルトマークで表現した紙だ。ん?フェルトマーク?「エンボス」は知っているが「フェルトマーク」は聞いたことが無いと言う人も多いかもしれない。フェルトマークとは紙を作る工程で、フェルト(毛布)で凹凸模様をつける手法で、一般的には「エンボス」に比べると柔らかな風合が出ると言われている。しかしフェルトマークに似せたエンボスもあるし、「これはエンボス、こっちはフェルトマーク」なんて説明するとお客様の混乱を招きかねない。そんな理由で私達も ひとくくりにしてエンボスと言ってしまうことが多い。フェルトマークは聞いたことがない人が多いのはそう言う事情だ。
今でこそ安いテクスチャペーパーも増えたが、20年ほど前は手軽に使えるテクスチャペーパーというとサーブルパミスとこの「こもん」だった。しかもこの3商品には当時まだ数少ないキク判が有った。私の中では同列に並んでいた商品だがサーブル、パミスは名前が売れているのに、「こもん」は日本人気質なのかチョットひかえめ、なんだか不憫(ふびん)な気がした。
そんな「こもん」がわけあって昨年リニューアル。その際、新しいこもんを「新こもん」にしなかったのは、ひかえめでおくゆかしい和風の名前よりも、自己主張する異国の気質を取り入れようとした為だろうか?
「New」な「こもん」は少しパターンが大きくなり凹凸も心持ち浅くなったように見える。少し見た目や名前は変わっても「こもん」には思い入れが有る。
そろそろ従来品の在庫も無くなりはじめ、本格的にニューこもんに切り替わってきた。これからはニューこもんを応援していきたい。