色の楽しさ

NKメタルカラー

NKメタルカラー 1970−2002年 日本加工製紙
NKメタルカラーの後継商品、ニューメタルカラーにもメタルックにも色物はなくゴールドとシルバーのみだが、NKメタルカラーと言うだけあってしっかりと色物があった。ライトグリーン、ライトブルー、ブルー、ピンク、ワインレッド。キラキラして華やかで私の好きな商品だった。
このNKメタルカラーで印象的だったのは包装の仕方だ。一般の人はもちろん印刷業者さんも断裁して包み直した状態しか目にしないので、ほとんど紙屋しか知らない全紙の包装。
紙の全紙は通常どのメーカーも同じ包み方なのだが、このメタルカラーは本体の紙に包装紙の型がつかないように包装紙の端が上面に載らない特殊な包み方をしてあった。倉庫で作業中に先輩にこの包み方の秘密を聞いて、自社製品を良い状態のままお客様に届けるにはどうすれば良いのか?と言うことまで考えるすばらしい会社だと思ったのを覚えている。
さて、NKメタラルカラーの色物は残念ながらニューメタルカラーにもメタルックにも引き継がれなかった。一般のお客様にも印刷会社さんにもカラーの印刷が普及して、紙自体に色がついている商品は少し劣性なように感じる。しかし「色」と言うのは紙の楽しさの大きな位置を占めていると私は思う。将来、白の紙ばかりになってしまわないように、私達がしっかりと、テクスチャペーパーのそして色の楽しさを伝えていかなければと思っている。