時間をかける贅沢

サンバレーオニオンスキン透かし

サンバレーオニオンスキン 1956−2010年 特種製紙
オニオンスキン...玉ねぎの皮ほど薄い便箋用の紙。エアメールなど送料のこともあるので便箋は薄くて軽い方が良い。でも紙が薄いと2枚重ねたときに下の紙の文字が写って読みにくい。シワのついているサンバレーオニオンスキンは紙を重ねても2枚の紙の間に空間ができるので透けにくく読みやすい、しかもこのシワは書くときに邪魔にならないように特殊な技法を作られている。以前は他にもエルジンオニオンスキンと言う商品があったが1998年にすでに廃品になっている。今年に入ってサンバレーオニオンスキンが廃品になったので、この感じの紙とは現在庫がなくなるともう逢えないと思うと少し寂しい。
サンバレーオニオンスキンのサンバレーは、STカバーの時に紹介した当時の特種製紙の社長 谷清一氏に由来する。透かし部分にしっかりと刻印されている「Sun Valley」は「谷さん」の谷だけ英語にして前後を入れ替えたものだ。
最近、ケータイやE−mailの普及で手書きの手紙は減っているようだ。まして時間とお金のかかるエアメールは尚更かもしれない。また、便箋用の紙の中でもプリンターで使いづらいものの需要は減っているようだ。
時間がかからない便利さと、時間をかけることの贅沢さ、それぞれの良さを吟味して上手く使い分けて行きたいものだ。