古代守る

ぐびき

ぐびき 1992年発売 日清紡
お正月なので「おめでたい紙」と言うテーマで色々お話ししているが、どうしても「和」とか「日本古来の」と言う方向へ行ってしまう。今日紹介する紙もその方向だ。
「ぐびき」は漢字で書くと「具引き」。胡粉(ごふん)という貝殻を焼いて粉末にしたものと顔料や染料を膠(にかわ)で溶いて紙に塗る手法のことだ。
NTラシャのようなラフ肌の色紙に同系色の「具引き」加工でお化粧をして古代色と言う感じの、より深みのある独特の日本色を織り成す。
9色でスタートした「ぐびき」だが1999年に黄土、朱赤、橙、茶の4色を増やして現在は13色体制だ。洋紙ではあるが、こう言う古代色を守り語り継いでいくことも私達の大切な仕事だと思う。