SUPER HEADS’--言葉のペーパーショウ--

東京の丸ビルで行われたSUPER HEADS'--言葉のペーパーショウ--の2日目(18日)に伺った。
今回講演いただいた多くの方(外国の方も含めて)が紙の特性として「手触り」を上げる。そこに私達は、暖かさやはかなさ軽さあるいは重さを感じる。その中には正に日本にしか表現できない微妙なものも含まれていると言う。だからこそ丁寧に情報を伝えたい時、そして細やかなニュアンスを伝えたい時に、伝達の手段として私達は紙を使う。そのためその内容にに応じて、あるいは伝えたい相手に応じて慎重に紙を選ぶのだ。また、この「手触り」と言うのは単に触れているだけのことではない、そこに動きが加わってはじめて「手触り」となる。私達は撫でたり弾いたりするこの手の動きによって見た目とは違う感覚を呼び覚ます。しかし紙は、人が手に触れたりするとデリケートで神聖なものが失われていく。私達はともするとこの平面で緊張感をもった紙の「張り」に目を奪われ勝ちだが、手ずれして「皺」がよった紙には生活に馴染んだ心地よさがあらわれる。ここに親しみ深いもう一つの紙の良さが見いだせるしそれも見落として欲しくない。
たくさんの方が語った講演の内容をまとめるとこんな感じだった。

私たち紙名手配では特殊紙のことを「テクスチャペーパー」と呼ぶ。これは textuer=「風合」のある紙としてそう呼ぶのだが、今回の講演を聞いて 紙は text=文章...物を語ると言う印象を受けた。紙名手配ではその用途にあわせて、あるいはお使いいただくお客様にあわせて紙の提案をさせて頂いてる。しかし「語り部としての紙」=textuer paper と人との出合いを演出する者として、もっと踏み込んでお客様が手渡す相手のことまで考えて紙を選ぶべきなのだと反省した。

朝9:30から夕方5:00までこんなに長い間講義を受けたのは学生の時以来。(いやいや学生時代にそんなに勉強したわけではない)その長時間に多くの方が紙について語った内容はここでは書き切れないし私にそれだけの能力がないのが残念だ。

たまたま、となりに座っていらっしゃった竹尾社長から「どうですか今年のペーパーショウは?」と尋ねられた。「とても勉強になりました、4年に1回ぐらいはこんな形でお願いできないですか」と答えると「これがなかなかたいへんで」とおっしゃっていた。MCをはじめとしてほとんどのスタッフは竹尾社員だと聞いた。本当に大変だと思った。いつものペーパーショウと違って時計を見ながらイヤホンとマイクで連絡をとりあうスタッフの皆さんの緊張感が伝わって来る。そこに紙とはまた別の「張り」と「皺」が感じられて私には心地よかった。ありがとうございましたとお疲れさまでした。