牛肉を食べると牛が絶滅する?

昨日「筑紫哲也 NEWS23」で再生紙の問題を取り上げていた。
なかなか表舞台に出てこない紙の問題が報道番組に取り上げられるのは珍しい。どういう内容かと興味津々で見ていたが、時代に逆行する陳腐な内容に驚いた。
どこかの大学の教授が「バージンパルプを使うと木を切るので森林が減る」と言うようなことを言っていたが、このセンセが本当にそう思っているならその大学の学生がかわいそうだ。「牛肉を食べると牛が絶滅する」とでも言うような幼稚な理論、日本の製紙メーカーが切った木を植えないとでも考えているのだろうか?「木を切ると森が若返る」ことが浸透し始めた中でそんなことも知らないセンセにコメントさせるとはTBSも相当遅れていると思った。
このブログでも何度か書いた日本製紙をはじめ多くのメーカーが紙の古紙配合率を下げる宣言をした。昨日の報道でもメーカー側の言い分とお役所の理屈が上げられていたがなんとなく水掛け論だ。
机上の理屈はこの際別にして、多くの人は「私達がリサイクルに回した紙はどこへ行ったの?」「まさか捨てたのでは?」と思ってないだろうか?過去にはそのようなことも無かったとは言えないと聞くが今時そんなことはなくドンドン中国へ行っている。もちろん中国で捨てているわけではなく紙を作っている。
中国では国内需要もさることながら輸出も旺盛で、製品のパッケージなどに使う段ボールやボール紙が大量に必要だ。しかも多くを輸出するため(それだけではないだろうが)古紙回収率が低い。その為近くで大量に紙を使い古紙回収率も高い日本に買い付け来るわけだ。このように見てみると私達が集めた古紙はキチンと紙にされて一部はまた私達の手元へ返って来ている。大きな意味ではこれもリサイクルだ。私達がいつまでも古紙配合率の高い紙にこだわる必要ない。
考えてみて欲しい、地球全体で消費している紙にはそれに見合った原料が必要だ。その主な原料がフレッシュパルプと古紙なのだ。その2つのパルプを足して地球みんなで分け合って使っているのだから日本が特定の資源(古紙)にこだわることが良いことだとは思えない。
むしろ今は、キチンと管理して森を循環させるシステムを持っている日本のメーカーにフレッシュパルプを任せる(もしかしたら近隣の国では木を切ってそのままにするかもしれない)ことこそが大切なのではないだろうか。
再生紙からFSC認証紙をはじめ取るする森林循環紙へ。私達日本はすでに次の段階へさしかかっているのだ。