十数年前は上質も酸性紙が多かったのだが、「あしたの」と言わずとも現在の上質は再生紙も含めてほとんどが中性紙だ。
酸性紙と中性紙どこが違うか簡単に言うと中性紙の方が長持ちなのだ。20世紀半ばごろから従来の紙(=酸性紙)でできている本や資料が劣化してボロボロになるのが世界的にも問題となったので、それを解消するために洋紙では新しい技術を開発して中性紙が生まれた。ちなみに日本古来の和紙はもともと中性紙なので古い文書もよく保存されている。
さて、紙が酸性になる大きな要因は、インクを滲まなくする工程で酸性の薬品を使うからだ。ここを中性(弱アルカリ)にすると紙は概ね(おおむね)中性になるのでこの手法で製造した紙は中性と表示されていることが多い。しかし色を着けたり他の要因で結果的に酸性になってしまう紙もある。これを「中性紙」と言うのは語弊があるので「中性抄」「中性紙抄」と言う表示になっている物を見ることも多くなった。
中性紙を調べる簡単な方法として燃やしてみると言うのがWebでもよく紹介されている。燃やした後の灰が黒くなるのは酸性、白くなるのは中性というものだ。試しに手元にある中性表示のテクスチャペーパーをいくつか燃やしてみたがすべてが白くなったわけではない。
では色をつけたりしない比較的シンプルな上質紙はどうだろう?とりあえず紙名手配で扱う白老上質、森林循環上質紙、OKプリンス上質エコG100、の3種類を燃やしてみた。
結果は?
「燃えたよ 燃えつきた まっ白にな」