簡単で普通

「色上質が欲しいんですけど」とお電話でご注文を頂くことがある。厚さを聞くと「普通の画用紙ぐらい」とのことだ。ここで問題が2つ。私共が扱う画用紙は3種類、規格自体はもっとたくさんある。幼稚園などは105kgが一般的だが、小学校になると105kgや125kg 中高生は薄いものから170kgまで色々な厚さを使う。このお客様の「普通」はどの辺り?と考えを巡らせる。もう一つは比較的堅い色上質と柔らかくて嵩高(かさだか)の画用紙の厚さを比べるのはなかなか難しいということ。さて、画用紙は一旦忘れていただいて別の方向から厚さを探ろうとしていると「そんな難しいんじゃなくてイイんです」「簡単でしょう?!普通の厚さですよ普通の!」と多少いらだち気味だ。
色上質や上質の場合の厚さの確認は、「コピー用紙ぐらいですか?」から始まって「葉書ぐらい?」「何に使いますか?」「表紙ですか?」そんな感じで探っていく。結局ご注文は「特厚口」で頂いた。
私もこの前「普通の伸びない包帯」を薬局で訪ねたが、今の包帯は「普通」は伸縮するようだ。私の「普通」は他の人にとって「普通」じゃないこともあるし、時代と共に「普通」は変わっていく。簡単で普通が一番難しい。