おツバキとアサガオもち

春でも秋でもお彼岸になると母がおはぎを作ってくれる。ウチではこの食べ物は年中「おはぎ」なのだが、本来は牡丹の咲く春は「ぼたもち」で、萩が咲く秋が「おはぎ」だそうだ。わたし的には「おはぎ」の方が発音が上品で好きだ。
じゃぁ、冬は「おツバキ」で夏は「アサガオもち」かというとそんな単純なものではないらしい。冬の呼び名は「北窓」夏は「夜船」と言うのだそうだ。「ぼたもち」の作り方を知っている人にはわかると思うが餅とは言えおはぎはペタペタ餅つきをするものではない。そのため「ツキ知らず」と言うことから冬は月の無い北の窓(月知らず)。夏はいつ船が着いたかわからない夜の船(着き知らず)からの言葉遊びだ。どちらも意味深で優雅な呼び名だが「ぼたもち」を食べる雰囲気ではないような...。